再開1年余「子どもの声増えた」=浸水被害の児童クラブ―西日本豪雨7年・広島



西日本豪雨による浸水被害で一時運営を休止していた広島県三原市の「船木放課後児童クラブ」は、昨年4月の再開から1年3カ月がたち、小学1~5年の児童10人が通う。市から運営を委託されているNPO法人「ゆうゆうProject(プロジェクト)」理事長の迫田久生さん(61)は「子どもの声が少しずつ増えている」と話す。

同クラブは市立船木小学校の校舎の一室で運営されていた。3校の統合を受けて同小学校は2016年3月に閉校したが、保護者や地元住民の要望で旧校舎での運営を続け、約30人の児童が通っていた。

西日本豪雨では近くの川が氾濫し、旧校舎には高さ約90センチまで水が入り込んだ。数日後、迫田さんが同クラブを訪れた際には、校舎に浸水の痕跡が残り、校庭は災害ごみの仮置き場となって臭いもひどかったという。

被災後、児童らは車で約10分の距離にある別のクラブに通うようになった。しかし、保護者らからは地元での実施を望む声が上がり、改修工事を経て旧船木小校舎で再開された。

小学1~4年時に船木放課後児童クラブに通い、再開後は非常勤の支援員として働いている大学2年大石陽芽さん(19)は「被災後、あまり小学生を見掛けなくなっていた。校庭などで遊んでいる姿を見ると復興したなと思う」と笑顔で語った。

再開後、クラブでは復興の印として花壇にジャガイモを植えて収穫するなど、緑を育ててきた。迫田さんは「ここは被災する可能性が高い地域。防災、減災について考え、子どもたちにとってより良い居場所にしていければ」と意気込む。

〔写真説明〕船木放課後児童クラブが入る旧広島県三原市立船木小学校校舎=6月30日、同市 〔写真説明〕船木放課後児童クラブで宿題などをする児童ら=6月30日、広島県三原市

2025年07月07日 07時05分


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