「働いて働いて」の流行語大賞に懸念=「言葉が独り歩き」―過労自殺遺族



今年の「新語・流行語大賞」で、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」という発言が年間大賞に選ばれたことを受け、過労自殺の遺族らが11日、東京都内で記者会見を開いた。「こんな言葉が独り歩きしては過労死はなくならない」と懸念を示した。

今年の年間大賞は高市氏が自民党の新総裁に選ばれた時の言葉。同党議員に対し「全員に馬車馬のように働いてもらう。私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」という発言もし、賛否の声が上がった。流行語大賞の表彰式では「国民に働き過ぎを推奨するような意図はない」と話していた。

医師の夫を過労自殺で亡くした中原のり子さんは「流行語大賞受賞には耳を疑った。家族にむち打つような行為だ」と憤りをあらわにした。「働いてワーク・ライフ・バランスを捨てるというのは社会的に最もふさわしくない言葉だ。(高市氏は)影響力の大きい方なので言葉を選んでほしい」と力を込めた。

〔写真説明〕記者会見で、高市早苗首相の発言が流行語大賞に選ばれたことに懸念を示す過労自殺遺族の中原のり子さん(中央)=11日午後、東京都千代田区

2025年12月11日 16時40分


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