
1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(90)が、検事総長の控訴断念時の談話で犯人視され、名誉を傷つけられたとして、国に550万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、静岡地裁(平山馨裁判長)であった。国は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。
畝本直美検事総長は静岡地裁が再審無罪判決を言い渡した翌月の2024年10月、控訴断念を表明した談話で、判決について「理由中に多くの問題を含む到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき内容だ」とした。
国は答弁書で、談話は控訴しない判断に至った経緯や理由を国民に説明するためのものだと主張。捜査機関の捏造(ねつぞう)などを認定した判決理由の一部に対する検察の意見または評価に言及した内容で、袴田さんを犯人視したわけではないと反論した。
原告代理人の小川秀世弁護士は意見陳述し、「無罪判決に対して控訴すべきだということは、袴田さんが犯人であると考えていることを意味する」と訴えた。
〔写真説明〕袴田巌さんの名誉毀損(きそん)訴訟で、静岡地裁に向かう弁護団=26日午前、静岡市
2026年03月26日 15時39分