
国税庁が公表した2026年分の路線価の全国平均は5年連続で上昇した。前年に引き続き、インバウンド(訪日客)に人気の高い観光地で25%を超える地価の上昇が見られ、東京都心でも2桁の伸びを記録する地点が続出した。
全国各税務署の最高路線価で上昇率トップだったのは、3年連続で長野県白馬村だった。上昇率は32.7%で、前年の32.4%を上回った。全国2位は同県野沢温泉村の31.3%で、3位は北海道富良野市北の峰町の28.0%だった。3地点の近くには、いずれも上質なパウダースノーの雪質で知られるスキー場があり、海外から大勢のスキー客が訪れるという。
一方、全国各税務署の最高路線価で最大の下げ幅となったのは、2年連続で石川県輪島市の朝市通りだった。下落率は8.6%で、前年の16.7%より下げ幅は小さくなった。
東京都内でも30以上の地点で上昇率が10%を超え、浅草や足立区の北千住駅周辺、墨田区の錦糸町駅周辺など7地点では20%を超えた。都心の住宅価格が高騰し、交通の利便性が高い下町エリアのターミナル駅に注目が集まっているという。都内で不動産鑑定士を務める森永慎一さんは「住宅需要の高まりにより、投資目的などでマンションを購入する外国人が増加していることも背景にあるのではないか」と推測する。
首都圏以外でも、佐賀市や盛岡市の中心部で路線価が10%を超える伸び率を見せるなど、路線価は全国的に上昇基調にある。しかし、不動産調査会社「東京カンテイ」の高橋雅之上席主任研究員は「地方の場合、再開発などを理由に一時的に上昇しただけの可能性がある」と指摘する。「東京のようにバブル期を超えて地価が高騰する都市部と、人口減少で衰退する地方との二極化が生じている」との見方を示した。
〔写真説明〕地価が大幅に上昇している北千住駅のロータリー=6月29日午前、東京都足立区
2026年07月01日 16時38分