堤防決壊は「人災とも言える」=治水事業巡り、長引く裁判―真備水害訴訟



西日本豪雨では、岡山県倉敷市を流れる1級河川の小田川と支流8カ所の堤防が決壊。同市真備町地区で4633棟が全壊し、74人(災害関連死を含む)が死亡するなどした。住民49人が参加する「真備水害訴訟原告団」は2020年4月、治水対策を怠ったことによる「人災とも言える」として、国や県などを訴えた。現在、総額約10億1300万円の損害賠償を求めているが、国側も全面的に争っており、審理は長期化している。

争点の中心の一つは、洪水被害を防ぐための小田川の合流点付け替え工事の遅れだ。建設省は1989年、洪水時に河川で流せる最大流量を上げるため、小田川と高梁川の合流点を下流に付け替える治水事業などを盛り込んだ総合事業計画を策定した。

しかし、計画改定が繰り返される中、付け替え工事は実施されないまま豪雨災害が発生。原告団は「『洪水が起きてはいけない』という意識の薄れが事業の先延ばしにつながった。人災とも言える」と主張する。

これに対し、国は答弁書の中で「(河川改修工事などは)必要性・緊急性を比較し、実施している」などと反論し、争っている。

〔写真説明〕大雨により決壊した小田川の堤防(中央右下)=2018年7月、岡山県倉敷市

2026年07月06日 20時53分


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