
ネコが仲間の尿のにおいを嗅ぎ、個体ごとに識別できるのは、尿に含まれる半揮発性の脂肪酸の種類と比率が異なるためである可能性が高いことが分かった。岩手大とドイツのブラウンシュバイク工科大、スペインのコルドバ大などの国際研究チームが19日付の米科学誌カレント・バイオロジー電子版に発表した。
この脂肪酸を含む脂質は腎臓の細胞に脂肪滴として蓄積されていることも判明。ライオンやトラ、ヒョウ、イリオモテヤマネコなど、他種のネコ科動物でも尿中の脂肪酸と腎臓の脂肪滴が確認された。脂肪酸の組成などは種による違いがあり、進化の過程で多様化したとみられる。
岩手大の宮崎雅雄教授らは、ネコが尿のにおいを嗅いだ後、口を半開きにしてにおいの物質を取り入れる「フレーメン反応」に注目。知らないネコで多く起きることを手掛かりに、尿から半揮発性の「分岐鎖脂肪酸」を13種類発見し、種類と比率が個体ごとに異なることを明らかにした。半揮発性で消えるまで時間がかかるため、尿をした跡に個体情報が長く残されるという。
〔写真説明〕口を半開きにし、においの物質を取り入れる「フレーメン反応」を見せるネコ。岩手大などの国際研究チームは尿中の脂肪酸を嗅ぎ分け、個体を識別している可能性が高いと発表した(岩手大の宮崎雅雄教授提供)
2026年08月20日 07時05分