秋田県能代市沖を震源とし、104人の死者を出した1983年の日本海中部地震は26日、発生から40年を迎えた。津波にのまれて児童13人が死亡した同県男鹿市戸賀加茂青砂の海岸では慰霊式が行われ、遺族らが祈りをささげた。
同海岸には地震発生から9分ほどで津波が到達。遠足で訪れていた小学4、5年生の45人と教員らが巻き込まれ、13人が犠牲になった。
北秋田市の三浦節子さん(78)は小学4年だった息子=当時(9)=を亡くした。昼食の直前に津波が来たため、「あの日食べられなかったから」と毎年浜辺に弁当を供える。「地震が起きたら津波が来るという認識が、当時は浸透していなかったのが悔やまれる」と涙ぐんだ。
日本海中部地震は83年5月26日午前11時59分に発生。地震の規模(マグニチュード)は7.7、最大震度5を記録した。秋田県内では83人が死亡し、うち79人は津波による犠牲者だった。
〔写真説明〕津波で亡くなった子供たちの冥福を祈る遺族ら=26日午後、秋田県男鹿市
〔写真説明〕海岸に弁当や菓子を供える遺族ら=26日午後、秋田県男鹿市
〔写真説明〕津波で亡くなった児童の慰霊碑=26日午前、秋田県男鹿市
2023年05月26日 15時29分