
横綱としての初賜杯に向けて闘志をむき出しにした。豊昇龍は激しい相撲の末に高安を下して2敗を堅持。「やられたらやり返す」。荒々しい言葉に気迫をにじませた。
過去4勝10敗と分が悪い元大関が相手。最後の仕切りでにらみつけたまま、視線を外さない。激しい張り手の応酬に、「ちょっと熱くなってしまった」。右をのぞかせて相手の動きを止めてから押し出すと駄目押しも見舞う。帰り際、待ち構えていた粂川審判長(元小結琴稲妻)から注意を受け、神妙な顔を見せた。
初日に黒星を喫するなどつまずいたかに見えたが、中盤から内容も伴って盛り返してきた。師匠の立浪親方(元小結旭豊)は「勝負に対する集中力は相当ある。横綱(昇進)を決めた場所のようになればいい」。終盤に白星を重ね、2度目の賜杯を抱いた今年初場所の再来を期待する。
大の里、安青錦と三つどもえの優勝争いとなった残り3日間。豊昇龍は「自分の相撲に集中してやっていきたい」と短い言葉で決意を示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕豊昇龍(右)は押し出しで高安を下す=20日、福岡国際センター
2025年11月20日 20時39分