
7月14日。米大リーグのオールスター戦前日、アトランタの球場で、監督通算2326勝を誇る屈指の名将、ジョー・トーリさんは満面の笑みで報道陣の前に姿を現した。「少し前にエレベーターを待っていたら、大谷がやって来たんだ。だから握手したよ」。ナ・リーグ最多得票で選出されたドジャースの大谷翔平と居合わせたことをうれしそうに明かした。
松井秀喜が所属していたヤンキースや、メッツ、ドジャースなどで約30年も監督を務め、2014年に米野球殿堂入り。数多くのスター選手を見てきたトーリさんをしても、大谷は特別な存在だ。「100年に一人の選手。彼の能力は打撃においても、投球においても素晴らしい。個人的に接点はないが、彼の周囲にいる人はみんな、どれだけ彼が努力しているかを話してくれる。決して偶然や運で成功したわけではない」と力説。11月1日まで行われたドジャース―ブルージェイズのワールドシリーズでも球場に足を運び、プレーを見詰めた。
大谷は今年、2季ぶりに投手に復帰し投打の二刀流で活躍。3年連続4度目の最優秀選手に満票で選出された。来年3月の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への出場を表明し、日本の連覇へ意欲を見せる。「前回初めて出場して素晴らしい大会だったし、前回以上に来年も素晴らしくなるんじゃないかなと思う」と話しており、再び世界中から大きな注目を集めそうだ。
可能性の限界がないかのように挑戦を続ける大谷。トーリさんは「子どもたちにとって最高のお手本」と語る。再びWBCの舞台で活躍する姿も、楽しみにしているに違いない。
【時事通信社】
〔写真説明〕米大リーグで名将として知られるジョー・トーリさん=7月14日、ジョージア州アトランタ
2025年12月12日 11時00分