複数区、野党が攻防=国民・参政台頭で構図複雑【25参院選】



参院選の13ある改選数2以上の「複数区」で、野党各党がしのぎを削っている。国民民主、参政両党の台頭で構図は複雑化し、立憲民主や日本維新の会、共産の各党などと攻防を展開。政権批判票を奪い合う野党同士の戦いが激しさを増している。

「この党が大きくなれば日本は変わる」。国民の榛葉賀津也幹事長は11日、千葉市での街頭演説で支持を訴えた。改選数3の千葉選挙区では、国民、参政などが自民党2人と立民の「指定席」に割って入ろうと懸命だ。自民、公明両党と立民が議席をつかんできた埼玉選挙区でも、7野党が争う。

国民は党立ち上げ以降の2019年、22年の参院選でも複数区に挑んだが、苦戦してきた。今回は新たに京都、兵庫両選挙区などに挑戦。旧民主党系の地盤を生かせず議席に届いていない北海道選挙区や、維新が2回連続で当選した神奈川選挙区でも議席獲得を目指す。

2議席を巡り野党がぶつかり合うのが京都選挙区だ。共産は19年に獲得した議席の維持に懸命で、立民、国民も擁立。維新は前原誠司共同代表=衆院京都2区=が頻繁にてこ入れしており、11日も京都市で街頭演説に立った。

維新が死守を狙うのが大阪、兵庫両選挙区だ。大阪では議席を落としたことがなく、16年以降は2議席を獲得してきた。与党と議席を分け合ってきた兵庫でも議席堅持が懸かっており、岩谷良平幹事長は11日、尼崎市で支持を呼び掛けた。

改選数6と欠員補充の計7議席を争う東京でも、野党は激しい選挙戦を続ける。それぞれ2人を立てた立民、国民を含め、全野党が擁立。立民の大串博志代表代行は11日、杉並区で「2人勝ち上がれば政治が変わる」と強調した。改選数が6に増えた16年以降、当選政党の構成は毎回変わっており、19年に議席を得た維新、22年に山本太郎代表が当選したれいわ新選組も再現を狙う。

参政は全ての複数区に候補者を擁立した。支持率は急伸しており、他の野党は選挙区での議席獲得に警戒を強める。自民関係者も「複数区の顔触れが変わる可能性がある」と指摘する。

複数区での勝敗は国会での存在感や発言力にも影響しそうで、各野党の訴えは熱を帯びている。

【時事通信社】

2025年07月12日 08時11分

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