自民党の鶴保庸介参院予算委員長は、石川県・能登半島地震に関し「運のいいことに能登で地震があった」と述べ、被災地関係者や与野党から批判を浴びた責任を取るため、委員長職を辞任する意向を固めた。党幹部が12日、明らかにした。既に関口昌一参院議長に辞表を提出したという。
鶴保氏は8日、和歌山市で開かれた参院選の自民候補の集会で演説した際、地震を契機に「二地域居住」が進むことを期待する文脈で発言。同日深夜に「被災者への配慮が足りず、言葉足らずだった」と陳謝、撤回するコメントを出した。
9日には謝罪の記者会見を行い、森山裕幹事長から厳重注意も受けたが、批判は収まらなかった。参院選への影響も考慮し、辞任を決断したとみられる。
立憲民主党の野田佳彦代表は12日、青森県八戸市で記者団に「失言レベルではないと言い続けてきた。ようやく決断した。(辞任は)当然だ」と述べた。
立民、社民、国民民主各党の石川県連は12日、鶴保氏の発言に対する抗議文を石破茂首相(自民総裁)に連名で送付。「被災者の感情として到底看過できるものではない」と非難し、厳正な処分を求めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕鶴保庸介参院議員
2025年07月12日 17時10分