自治体、観光PRに手応え=インバウンドに課題も―大阪・関西万博



大阪・関西万博は13日で開幕から3カ月を迎える。万博を機に、全国の自治体は観光PRを強化。万博会場で地域の文化や食などの魅力を発信する一部のイベントは盛況で、関係者は手応えを感じている。ただ、海外からの来場者は全体の1割足らずで、訪日客(インバウンド)の増加に弾みをつけられるかが課題だ。

関西9府県が合同で出展する「関西パビリオン」。三重県のブースでは、定期的にテーマを定めながら、県内の伝統、文化、産業などを紹介。熊野古道の巡礼衣装を来場者が着用し、撮影できる特別展示は特に好評で、担当者は「既に延べ30万人超が来場した。想定の2倍だ」と驚く。

6月には、青森の「ねぶた祭」など東北6県の祭りが一堂に会する「絆まつり」が会場内で行われた。福島県は今月19日、モモや日本酒といった県産品を国内外にアピールする予定だ。

◇訪日客てこ入れ

日本国際博覧会協会は、会期中の来場者総数を2820万人と想定。このうち、訪日客は12.4%に当たる350万人に上ると試算する。ただ、これまでのところ想定を下回る。訪日客の内訳はアジアが5割弱、欧米が4割強。政府関係者は「もう少し頑張らないと(試算に)届かない」と指摘する。

大阪府や福岡県、神戸市などと民間企業が連携して西日本への誘客に取り組む官民団体は11日、万博会場内で記者会見を開いた。団体によると、4月に欧米やオーストラリアから大阪を訪れた観光客は、前年同月比57%増加。担当者は「万博開幕を機に、大阪から兵庫、広島、香川、愛媛、福岡などを訪れる人も増えている」と話す。

団体は、万博協会と連携して各地の文化を体験できるツアーなどを用意しており、会長の高島宗一郎福岡市長は「これから夏のバカンスシーズンを迎え、海外の来場者が増える。西に足を延ばしてもらえるようPRしたい」と語った。

【時事通信社】 〔写真説明〕大阪・関西万博会場で開かれた、東北6県の祭りが一堂に会する「絆まつり」=6月15日、大阪市此花区(東北絆まつり実行委員会提供) 〔写真説明〕大阪・関西万博の「関西パビリオン」で三重県が出展しているブースの映像展示=5月18日、大阪市此花区

2025年07月12日 14時32分


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