ペット防災、日頃の準備を=避難所トラブル防止へ講座―専用グッズ開発も



災害時、避難所でのペットを巡るトラブル防止について考える市民講座の取り組みや、専用防災グッズの開発が進んでいる。9月1日は「防災の日」。専門家は「ペットは『家族』であり『動物』。日頃からのしつけがそのまま防災につながる」と話している。

東京都荒川区で8月10日、ペットの防災に取り組むボランティア団体「With(ウィズ)」による市民講座に夏休み中の小中学生らが集まった。避難所にペットの飼育スペースを確保する実習では、他の避難者とのトラブルを防ぐため、ペットを見えなくする室内テントを組み立てた。

中学1年の女子生徒(13)=同区=は飼育するインコが避難所で迷惑をかけないか心配で参加したという。「ペットは、タオルなど普段と同じ匂いがするもので落ち着くと聞き、さっそく準備したい」と話した。

生活用品メーカー「アイリスオーヤマ」(仙台市)は8月、折り畳みトイレや迷子札などが入ったペット専用の防災セットを新商品として発表した。開発責任者の雫石きらりさん(31)は宮城県石巻市出身で、東日本大震災でのペットの被災経験を生かしたという。

雫石さんが当時飼っていた犬と猫は避難所に入れず、自宅に残った家族が世話をした。商品には、ペットが屋外で待機することを考えた保温性の高いアルミシートや、がれきなどでけがをした際に傷口を保護するテープも用意。「ペットとの避難について、商品を機に考えてもらえたら」と話している。

環境省が2018年に策定したガイドラインでは、市町村などに対し、ペットが避難所に入る際に必要な支援体制の整備などを促している。同省の担当者は「法令では避難所でのペットの受け入れを義務付けていないが、必ず起こる問題なので平時からの準備が必要だ」と話す。

ペットの災害対策に詳しい九州医療科学大(宮崎県延岡市)の加藤謙介教授(社会心理学)は「飼い主が日頃からペットを適切に飼育することがそのまま防災につながる」と指摘。「地域住民らとの協力による避難所の環境整備や、事前に避難所以外のペットの避難先を検討することも大切だ」と話している。

【時事通信社】 〔写真説明〕ペット防災に取り組むボランティア団体「With(ウィズ)」が開催した市民講座で、室内テントなどを設置する参加者ら=10日、東京都荒川区 〔写真説明〕アイリスオーヤマが新たに発表したペット専用の防災セット=7日、東京都港区

2025年08月31日 07時00分


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