原告ら落胆「まさかの合憲」=法廷にため息―同性婚訴訟



28日の東京高裁判決は、同性婚を認めない民法などの規定を「合憲」と判断した。高裁段階ではこれまで5件連続で違憲判断が出ており、原告らは「まさかの合憲」「心が折れそう」と落胆の色を隠せなかった。

午前11時に101号法廷で始まった判決言い渡し。裁判長が合憲とした理由を読み上げると、原告らはぼうぜんとした様子で静まり返り、傍聴人からはため息が漏れた。

閉廷後、高裁前で原告らが「不当判決」「結婚の平等を認めず」と書かれた紙を掲げると、集まった支援者からは「どうして」「間違いではないか」との声が上がった。原告の一人、福田理恵さんは報道陣の前で「私たちは結婚して幸せを追求する選択肢が欲しいだけ。本当に怒りでいっぱいだ」と声を振り絞った。

その後の記者会見で、福田さんは「みんなと同じように尊厳を持って生きる権利が欲しいと(意見陳述で)話したが、答えを突きつけられた。あなたたちは祝福に値しない存在だと言われたように感じている」と涙を浮かべた。

原告の一橋穂さん(仮名)は「こんな判決が出るとは夢にも思わず、怒りに震えて涙が出た。心が折れそうだが、婚姻できる日が来るまで闘う」と力を込めた。河智志乃さんも「違憲判決が出ると思っていたのに、まさかの合憲。突き落とされた気持ち」と肩を落とした。

弁護団は「婚姻の自由と平等の実現は、もはや揺るがない社会の情勢で、判決はこれに逆行する」との声明を発表。上杉崇子弁護士は「当事者や社会の変化を全く見ていないと言わざるを得ない。明確な違憲を下した五つの高裁判決を読んだのかとすら思ってしまう独自の内容だ」と批判した。

【時事通信社】 〔写真説明〕同性婚を認めない規定を「合憲」とした東京高裁判決を受け、記者会見する原告ら=28日午後、東京都千代田区 〔写真説明〕同性婚を認めない規定を「合憲」とした東京高裁判決を受けた記者会見で、涙を拭う原告ら=28日午後、東京都千代田区

2025年11月28日 19時19分


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