
青森県で震度6強を観測した地震に伴い発表された「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の呼び掛けは16日午前0時、終了した。注意情報は北海道から千葉県の沿岸など182市町村に発表され、住民らからは「常に避難態勢を取りたい」「終わって良かった」などの声が上がった。
最大震度6強の揺れがあった青森県八戸市。市川漁協は地震後、近隣の漁協と協議し、1日解禁のホッキ貝漁を休止したが16日に再開した。担当者は「魚介類の値段が上がる年末を控えた休漁で影響は大きかったが安全を優先した」と説明。「いつ地震が起きるか分からないので常に避難できる態勢は取れるようにしていきたい」と力を込めた。
鮮魚店など約70店舗が軒を連ねる市場「八食センター」事務局の高田浩平さん(35)は「終了して良かった」と安堵(あんど)した様子。地震後も通常営業を続けたが来場者数は少なかったといい、「日常に早く戻り、人の動きも活発になって」と期待した。
熊谷雄一市長は16日午後の記者会見で「1週間で終了し、巨大な地震が発生しなかったことにはほっとしている」と述べた。宮下宗一郎県知事は注意情報について「『危ない』と言いながら『日常(生活)を送れ』というのは受け取る側にとって何をしていいか分からない。国は発信の仕方をもう少し工夫する必要がある」と指摘した。
北海道日高地方の特別養護老人ホームの男性施設長は「この地方はもともと地震が多いので食料や水の備蓄、避難訓練を続けていきたい」と話した。鈴木直道道知事は注意情報終了を受け「大規模地震の可能性がなくなったわけではない。日ごろからの地震の備えをいま一度確認し、引き続き安全に過ごして」と訴えるコメントを出した。
岩手県宮古市の景勝地「浄土ケ浜」で遊覧船を運営する岩手県北自動車(盛岡市)の佐々木隆文さん(60)は「津波発生時の避難用マニュアルを改めて確認した」と振り返る。地震後、観光客の足が遠のいたとしつつ「今後注意情報が出ても人命第一で運航したい」と気を引き締めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を周知する道路情報板=10日、青森県むつ市
2025年12月16日 18時01分