
2025年の世相を表す「今年の漢字」に「熊」が選ばれ、京都市東山区の清水寺で12日、森清範貫主が揮毫(きごう)した。全国各地で「熊」の被害が相次ぎ、国民の関心と不安が集中したことなどを反映した。今年の漢字で「熊」が選ばれたのは初。
公益財団法人「日本漢字能力検定協会」(同市)が毎年公募しており、今年で31回目。インターネットやはがきなどで11月から応募を受け付け、票数の最も多かった字が選ばれた。
応募総数は18万9122票で、「熊」は2万3346票だった。和歌山県白浜町のテーマパークからパンダ(熊猫)が中国へ返還されたことなども理由に挙がった。
森貫主は「熊」が選ばれたことに対し「報じられていたので、印象は大きかったと思う」と述べた上で、「地球の環境が変わってきた。われわれの身の回りに迫ってきていることを実感した」と話した。
2位は「米」で、昨年から続く米価格の高騰や備蓄米の放出、米国のトランプ大統領の相互関税による混乱などから2万3166票を集めた。3位は初の女性首相に高市早苗氏が就任したことなどを受けて「高」が選ばれ、1万8300票だった。
揮毫された漢字は22日まで清水寺で一般公開され、23日からは漢字ミュージアム(同市)に展示される。
【時事通信社】
〔写真説明〕2025年の「今年の漢字」に選ばれた「熊」を揮毫(きごう)する清水寺の森清範貫主=12日午後、京都市東山区
2025年12月12日 18時03分