無人機開発を加速=「空中空母」やステルス機―中国軍



【北京時事】中国軍が無人機の開発を加速させている。同国メディアは、小型ドローン100機を空中発射可能とされる機種や、ステルス性能を備えた大型機の初飛行に成功したと報道。戦闘機と共同作戦を行う無人機の運用も目指しており、日本など周辺国にとって脅威となりそうだ。

国営新華社通信は今月11日、新型の無人機「九天」が初飛行に成功したと報じた。九天は長さ16.35メートル、翼幅25メートル、積載能力6トンで航続距離は7000キロ。「性能指標は同種の中でトップクラス」という。

中国メディアによると「空中空母」として運用が可能だ。100機程度の自爆型の小型ドローンなどを目標近くで発進させ、「スウォーム(群れ)」攻撃できるとされる。

同15日には、大型無人機「彩虹7(CH7)」が初飛行に成功したと国営中央テレビなどが伝えた。ステルス性能を備え高高度を高速で飛行できるため、「目標上空に長時間展開し任務が遂行できる」(共産党機関紙系・環球時報)という。

11月には、別のステルス無人機が最新鋭ステルス戦闘機「殲20(J20)」などと共に飛行する動画も公開された。この無人機は、戦闘機に随伴して作戦ができるとされる。この他にも、中国軍は9月の軍事パレードで複数の新型無人機を公開した。

最新鋭の無人機は、海上で運用される可能性もある。11月に就役した中国海軍3隻目の空母「福建」、昨年12月に進水した「076型」強襲揚陸艦「四川」は、リニアモーターで艦載機を射出する電磁カタパルトを装備する。電磁カタパルトは無人機の発艦にも対応でき、「四川」は「無人機空母」(香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト)になるとの見方も出ている。

台湾の武力統一も辞さない構えの習政権は、米軍の接近を阻止するのが基本戦略。次々と開発される無人機も、そうした戦略の一端を担うもようだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕初飛行成功が報じられた中国軍の無人機「九天」=12日(中国国営中央テレビのサイトより・時事) 〔写真説明〕初飛行成功が報じられた中国軍の無人機「彩虹7(CH7)」=15日(中国国営中央テレビのサイトより・時事)

2025年12月29日 14時37分


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