
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザ情勢は2026年も不安定な状況が続きそうだ。イスラエルとイスラム組織ハマスは25年10月、トランプ米大統領が主導して和平計画「第1段階」で合意した。しかし、恒久的な和平を実現するための根幹を成す「第2段階」への進展は不透明で、イスラエルが本格的な攻撃を再開する可能性も否めない。
◇「和平計画は幻想」
トランプ氏とイスラエルのネタニヤフ首相は12月29日、米南部フロリダ州で会談し、和平計画について協議した。会談後の共同記者会見でトランプ氏は「(早期に)武装解除しなければ、ハマスは大きな代償を払うことになる」と警告。ネタニヤフ氏の強硬姿勢を支持する立場を明確にした。だが、第2段階への道筋を示すことはなかった。
第2段階では、イスラエル軍のガザ撤退とハマスの武装解除に加え、ガザの新統治機構の設置、イスラエル軍のガザからの段階的撤退に合わせた「国際安定化部隊(ISF)」の展開などが行われることになっている。米ニュースサイト「アクシオス」は12月上旬、米政府当局者の話として、トランプ氏が同月下旬までに「第2段階の開始」を宣言し、新統治機構の概要を明らかにすると伝えていたものの、現時点でそのような発表は行われていない。
ISFに関しても具体的な参加国が確定しておらず、当初想定されていた今月中の派遣は困難とみられている。米国の中東専門家は「和平計画は幻想だ」と、実現性を疑問視している。
◇強硬派が占領継続支持
ハマスは、イスラエルのパレスチナ占領が続く限り武装解除を拒否する構えだ。これに対し、イスラエルメディアによると、トランプ、ネタニヤフ両氏は12月29日の会談で、2カ月以内に武装解除に応じるようハマスに求めることで一致した。ネタニヤフ氏は30日の米FOXニュースとのインタビューで、ハマスの武装解除が進まなければ「別の方法で実施する」と述べ、軍事作戦の再開を示唆した。
また、ネタニヤフ連立政権から、第2段階の履行を否定する声が公然と上がっている。カッツ国防相は25日、ハマスが武装解除しても「完全撤退はしない」と改めて明言。その上で、ガザへの再入植を示唆した。こうした考えは、政権を支える極右政党をはじめとする強硬派の意見を反映している。26年10月までに総選挙が行われる予定で、ネタニヤフ氏は求心力を保つために極右勢力の意向を無視できない事情もある。
【時事通信社】
〔写真説明〕会談後の共同記者会見の場で、握手するイスラエルのネタニヤフ首相(左)とトランプ米大統領=2025年12月29日、米南部フロリダ州(AFP時事)
2026年01月02日 20時02分