
パンダ4頭が昨年中国に返還された和歌山県白浜町で、白黒模様の新種のエビが相次いで見つかっている。調査した広島大の研究グループは「なぜこのような模様になったのか研究していきたい」と意気込む一方、新たな観光資源として期待を寄せる近隣町もある。
広島大の富川光教授らのグループは2024年9月、白浜町の海岸で発見された体に白と黒の模様があるヨコエビが新種と判明し、パンダの柄に似ていることから「パンダメリタヨコエビ」と命名したと発表。体長は5~8ミリで、形態分析とDNAデータに基づく解析結果からメリタヨコエビ属の新種と判明した。
同グループは昨年11月にも、同町の海岸で発見された同じような柄のヨコエビを解析した結果、別の新種と判明したと発表した。前年のものよりも白色と黒色がはっきりし、さらにパンダに似ていることから「ヨリパンダメリタヨコエビ」と命名された。
ヨリパンダメリタヨコエビは、砂地に転がる石の下に生息。体長は5~10ミリで、一番後ろの脚の先に節があることが特徴という。
いずれの新種も、体のラインを見づらくすることで、天敵の小魚から身を守っている可能性がある。2種は遺伝子解析の結果、系統が異なっていることも分かり、似た環境や生活様式に適応する中で同じような姿になる「収れん進化」の結果と考えられるという。
富川教授は「名前を通じて存在を知り、多くの人に生物の理解を深めてもらいたい。なぜ白黒模様になったのかを今後研究していく」と話した。
白浜町の隣にあるすさみ町では、このエビを活用する動きもある。約200種の甲殻類を展示する「エビとカニの水族館」は富川教授らの協力の下、年内に2種を展示する計画だ。館長の平井厚志さん(42)は「県民に馴染み深かった『パンダ』が名前に付いてうれしい。いなくなったパンダのようにはいかないが、推していきたい」と話した。
【時事通信社】
〔写真説明〕2024年に新種と発表された「パンダメリタヨコエビ」(広島大の富川光教授提供)
〔写真説明〕2025年に新種として発表された「ヨリパンダメリタヨコエビ」(広島大の富川光教授提供)
2026年01月13日 16時55分