
【ワシントン時事】米中西部ミネソタ州の不法移民対策で市民2人が射殺された事件を巡り、移民税関捜査局(ICE)を所管するノーム国土安全保障長官の進退が焦点となっている。トランプ政権は2026会計年度予算の審議を、ICE関連を切り離すことで乗り切ったものの、ノーム氏更迭を求める声は一段と強まりそうだ。
民主党のタカノ下院議員は3日、首都ワシントンにあるICE本部前に同党議員と集結。「ノーム氏は暴力と恐怖で統治しようとする現代のファシストだ。彼女の残虐行為に白紙委任状を与えるわけにはいかない」と述べ、トランプ大統領はノーム氏を即時解任すべきだと訴えた。
予算審議は市民射殺事件を受けて紛糾し、政府機関の一部は再び閉鎖に陥った。しかし、トランプ氏が民主党の要求するICE職員のボディーカメラ装着などを受け入れる柔軟姿勢に転じたため短期間で解消。ICE関連は新たなつなぎ予算を編成し、「行き過ぎた摘発」の改善を巡る協議を継続することになった。
政権は射殺事件の調査を行い、ミネソタ州でのICEの態勢縮小方針も示す。だが、全米各地で抗議デモが行われるなど批判は拡大。民主党内ではICEの組織改革に加え、ノーム氏更迭を求める声が引きも切らない。与党共和党の一部も解任に同調している。
ICE関連のつなぎ予算が失効するのは今月13日。トランプ氏は「ノーム氏はいい仕事をしている」と擁護しているが、民主党は予算をてこに政権への圧力を強める構え。予算の期限というヤマ場を前に、政権はさらなる対応を迫られそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕ノーム米国土安全保障長官=1月29日、ワシントン(EPA時事)
2026年02月05日 07時09分