ベネズエラに希望の光=人口流出に歯止めも―米軍事作戦から1カ月



【サンパウロ時事】政情不安が続く南米ベネズエラでは過去10年ほどの間に約800万人が国外に逃れた。マドゥロ大統領が1月3日に米国の軍事作戦で拘束されてから1カ月。事態好転に向け希望の光が差し、人口流出に歯止めがかかる兆しも見られる。

「お金をためてベネズエラに戻りたい」。ブラジル最大都市サンパウロ中心部のカトリック教会に身を寄せるサライ・フランコさん(26)は語る。土木作業員の夫の収入では3歳と5歳の娘2人を抱えたベネズエラでの生活は苦しく、病院に「基本的な医薬品さえなかった」と嘆く。一家は「仕事のチャンス」を求めて4人でブラジルに向けて出国。約2カ月かけて徒歩などで移動し、昨年のクリスマス直前に教会に到着した。

マドゥロ氏が拘束された後に就任したベネズエラのロドリゲス暫定大統領は米国との協調姿勢に転換。強権体制を象徴する政治犯の釈放を開始した。フランコさんは、これまで「刑務所に入れられる」リスクがあるため、ベネズエラで「声を上げることができなかった」と言う。「変化が始まった」と口元が緩んだ。

ブラジルが難民や移民として受け入れたベネズエラ人は約74万人に上る。中南米の受け入れ国では、コロンビア、ペルーに次ぐ。

デボラ・サントスさん(46)はサンパウロでベネズエラ人の支援活動を行っている。最も多いときは同時に52世帯を支援した。「子供は痩せ細り、母親はひどく衰弱していた」と活動を始めた数年前を振り返り、「今では多くの人が仕事に就き、ベネズエラに送金している」と話した。支援を受けたルイス・カナチェさん(52)は「マドゥロ氏のやり方は間違っていた」と怒りをぶちまけ、ロドリゲス氏に関しては「うまくやっている。国を活気づけている」と歓迎した。

ブラジル政府によれば、北部のベネズエラ国境を越えて入国したベネズエラ人は今年1月1~13日に1014人となり、前年同期の2121人から半減した。ベイガデアルメイダ大学のマイラ・コアンラゴ教授(国際関係)は「ベネズエラ人は具体的に政治や経済に変化があるのか見極めている」と分析した。在外ベネズエラ人についても「帰国が国の再建にとり重要だ」と動向に注目している。

【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジルのカトリック教会に身を寄せるベネズエラ人のサライ・フランコさん(左)と娘=1月21日、ブラジル・サンパウロ 〔写真説明〕ベネズエラ人の支援活動を行うデボラ・サントスさん=1月26日、ブラジル・サンパウロ

2026年02月03日 07時11分


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