
米・イスラエルとイランの交戦開始から28日で1カ月になる。停戦に向けた交渉が続く中、戦闘は今も続く。「一日も早い終戦を」。日本に住むイラン出身者は、家族や同僚らの無事を祈りながら不安な日々を送る。
福岡市中央区のペルシャじゅうたん店で店長を務める永久弗ホセインさん(62)は、首都テヘランに姉3人や兄が暮らす。交戦開始直後は連絡がなかなか取れず「不安で夜中に何度も目が覚めた」。姉の1人とは電話が何とかつながったが、約1分で切れた。「『みんな元気だ』と聞けただけでもほっとした」と話す。
ただ、イランから輸入するペルシャじゅうたんは、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴い補充できない状況だ。店の経営は厳しさを増しているといい、「お客さんに入荷のお知らせが出せない」と嘆く。
永久弗さんは約40年前、「ペルシャじゅうたんを通してイランの魅力を伝えたい」と考え、あこがれていた日本に来た。2018年には日本国籍を取得し、現在は妻や子どもたちと暮らす。「一日でも早く終戦となり、平和が訪れてほしい」と願い続ける。
東京都杉並区でペルシャ料理店を営むボルボル・ホセインさんは家族10人以上がテヘランで暮らす。日本からの電話はつながらず、連絡を取れるのは向こうから週に一度かかってくる時だけという。「通話料金が高いため、一度に話せるのは2、3分くらい。この状態がずっと続くのは悲しい」と語る。
ボルボルさんは料理を通じてイラン文化を広めたいとして、04年に店をオープン。料理にはイランから取り寄せたハーブも使われるが、攻撃が始まると現地の業者とは連絡が取れなくなり、輸入は止まったままだ。「今ある分を使い切った後どうするか」。不安を抱えながら店を切り盛りする。
大阪大の留学生アリマダディ・アリレザさん(23)は昨春の来日前、ホルムズ海峡沿いの港町にある海水淡水化プラントで技師として働いていた。同僚とは今も連絡が付かない。「イラン政府とイラン人はまったく異なる。一般のイラン人を巻き込む戦闘はすぐやめてほしい」と訴える。
日本の技術力にひかれて来日し、4月からは同大で機械工学を学ぶアリマダディさん。「戦争をやめさせたいが、自分に今できるのは学ぶことだけだ」と考え学業に専念する。「日本はエネルギー問題に関心があり、イランは日本の技術力を必要としている。両国のパイプ役になりたい」と前を向いている。
【時事通信社】
〔写真説明〕店長を務めるペルシャじゅうたん店で、平和への願いを語る永久弗ホセインさん=25日、福岡市中央区
〔写真説明〕輸入が止まったハーブが使われた料理を持つ、ペルシャ料理店店長のボルボル・ホセインさん=24日、東京都杉並区
〔写真説明〕取材に応じるイラン人留学生のアリマダディ・アリレザさん=24日、大阪府箕面市
2026年03月28日 07時53分