
【パリ時事】2027年春の次回フランス大統領選挙まで1年。現在2期目のマクロン大統領(48)は、連続3選を禁じた憲法の規定で出馬できず、新人の争いが予想される。主な候補が出そろうのはまだ先だが、社会不満や政権批判の受け皿として支持を集める極右野党・国民連合(RN)のバルデラ党首(30)が最有力の一人に数えられ、「極右元首」が誕生するかが最大の焦点となりそうだ。
RNは「反移民」や欧州連合(EU)に批判的な主張、ロシアに融和的な姿勢で知られ、トランプ米大統領に通じる部分が多い。フランスは国連安全保障理事会の常任理事国で、ドイツと並ぶEUの主要加盟国でもある。バルデラ氏が大統領に就けば、国際政治の新たな波乱要因となる可能性がある。
3月下旬に実施された2件の世論調査で、バルデラ氏は大統領選第1回投票の支持率が34~38%とトップ。2位で追う中道与党連合のフィリップ元首相(55)は20.5~25.5%と、大きく水をあけられた。
ところが、2人の決選投票進出を想定した質問では回答が一変。バルデラ氏は支持率48~48.5%にとどまり、フィリップ氏が51.5~52%と小差で逆転した。極右は左派や中道右派から嫌悪され、一騎打ちでは対抗馬が党派を超えて得票しやすいからだ。それでも、RNが1972年に「国民戦線(FN)」として結党以来、大統領選でこれほどの接戦を演じたことはなく、最大の好機には違いない。
今月12日のハンガリー総選挙では、トランプ氏やRNと親密なオルバン首相が敗北した。トランプ氏の対イラン攻撃に伴う原油高やローマ教皇批判には仏保守層も反発を強めている。選挙の行方はトランプ氏の言動に左右される面がありそうだ。
マクロン氏を支えてきた中道は、フィリップ氏以外にアタル元首相(37)らが出馬をうかがう。候補の一本化が不調に終われば第1回投票で得票が分散し、決選進出を逃すリスクがある。共倒れ回避に向けた統一候補の擁立は左派、右派陣営もそれぞれ模索するが、成否は不透明だ。
RNは、党内を掌握するルペン前党首(57)も4度目の立候補を目指す。ただ、25年3月に公金横領事件の一審判決で有罪となり、被選挙権が停止。今年7月に宣告される控訴審判決で逆転無罪を勝ち取るのは難しいとみられている。急進左派「不屈のフランス」は、党を束ねるメランション氏(74)が4度目の挑戦へ準備を進める。
【時事通信社】
〔写真説明〕フランスの極右野党・国民連合(RN)のバルデラ党首=18日、イタリア北部ミラノ(AFP時事)
2026年04月20日 12時30分