
【ワシントン時事】米東部ニューヨーク州で実施された11月中間選挙に向けた民主党予備選で、ニューヨーク市のマムダニ市長が支援した左派系候補3人が、現職の連邦下院議員2人を含む党主流派候補を破った。生活費高騰への対応など党指導部に対する不満の強さが浮き彫りとなった一方、穏健派の間では左派路線が全米の激戦区で足かせになりかねないとの懸念が強まっている。
「心よりお悔やみ申し上げます」。投開票日翌日の24日、民主党下院トップのジェフリーズ院内総務の事務所に、花束と共にこう記されたカードが届いた。共和党側から送られたもので、民主党内で深まる路線対立をやゆしたものだ。
「民主社会主義者」を自称する急進左派のマムダニ氏は、今回の選挙結果を受け「昨年の私の勝利は政治運動の終わりではなく始まりだった」と述べ、生活費負担軽減など自身の政策を全米で推進する考えを表明。米メディアから「キングメーカー」と称され、穏健派候補を支援したジェフリーズ氏や同党上院トップのシューマー院内総務に対し、次期予備選でマムダニ氏が対抗馬を擁立するとの観測まで浮上している。
党内左派は存在感を一段と増しており、インフレやイスラエル支援を巡る若年層の不満に党指導部は応えていないと指摘。左派の代表格で知られる民主系無所属のサンダース上院議員はX(旧ツイッター)で「米国民は既成政治にうんざりしている。(左派候補の)勝利を重ねていこう」と呼び掛けた。
もっとも、民主党の強固な地盤であるニューヨークの勢いが全米でどこまで波及するかは不透明だ。党指導部は激戦区で共和党に勝つには中道層の支持を取り込むことが不可欠だとし、富裕層への大幅増税など左派の急進的な主張が共和党の攻撃材料になるとの警戒感が根強い。
実際、中間選挙で多数派維持を目指す共和党は、ニューヨークの選挙結果を歓迎し、民主党を「社会主義政党」と印象付ける戦略を進める。トランプ大統領は「彼らは筋金入りの共産主義者で、建国250年の歴史の中でわが国最大の脅威だ」と訴え、攻勢を強める姿勢を示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕米ニューヨーク市のマムダニ市長=23日、ニューヨーク(AFP時事)
2026年06月28日 07時06分