
高市政権が目指す食料品の消費税減税の先行きが不透明となっている。当初は超党派の社会保障国民会議で6月中に意見集約し、高市早苗首相が最終判断する想定だったが、中間取りまとめ案に与野党から異論が噴出。国会審議の空転も逆風となり、「延長戦」にもつれ込んでいる。
国民会議では先月の実務者会議で、議長を務める自民党の小野寺五典税制調査会長が取りまとめ案を提示した。消費税率を来年4月から2年間1%に引き下げた上で、来年度から税率1%相当を原資に新たな給付制度を先行導入し、「実質ゼロ化」を実現。2029年度に「所得に連動したきめ細かな給付」を本格導入すると明記した。
しかし、野党側は「(1%案は)今までほとんど議論されていない」(国民民主党の古川元久代表代行)「2年後には大増税になる」(中道改革連合の赤羽一嘉副代表)などと反発し、議論は平行線に。国会の与野党対立で法案審議が止まったあおりで、先月26日を最後に会議も開けず、月内決着を断念した。
自民党内からも、2月の衆院選で掲げた「消費税率ゼロ」を順守すべきだとの声が続出。年5兆円規模の必要財源が確保されておらず、財政悪化への懸念から減税自体に否定的な意見も出ている。党税制調査会では、小渕優子元経済産業相が非公式幹部会合メンバーの辞任を申し出。党内対立の火種もくすぶる。
来年4月の減税実施には、レジシステムの改修を間に合わせ、関連法案を秋の臨時国会で成立させる必要もあるため、「夏前に決めなければ間に合わない」(経済官庁幹部)とされる。政府は、今月中旬の閣議決定を目指す経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」に「適切に反映した上で取り組みを進めることが重要」(城内実経済財政相)だとするが、実現は一向に見通せない。
【時事通信社】
〔写真説明〕超党派の「社会保障国民会議」の実務者会議で発言する自民党の小野寺五典税制調査会長(奥右)=6月3日、国会内
2026年07月04日 07時04分