
空転が続く国会は、高市早苗首相が正常化に向けて衆参両院予算委員会の集中審議開催などに応じるかどうかが焦点となる。野党は衆院議員定数削減法案と「副首都」創設法案の成立断念を、皇室典範改正案審議入りの条件としており、これも首相の判断がカギを握る。17日の会期末まで2週間を切り、駆け引きが激しくなりそうだ。
首相はインドから3日深夜に帰国した。週末に国会の状況について報告を受け、対応を検討するとみられる。
週明けの6日は参院決算委員会の質疑に出席する。首相の国会答弁は6月26日以来。立憲民主党は自民党総裁選で首相陣営が中傷動画を作成した疑惑などを取り上げ、攻勢を強める。さらに説明が必要だと印象付ける狙いだ。事態打開に向け、首相が踏み込んだ発言をするかが注目される。
疑惑に関し、首相が6月22日に自身の秘書の「陳述書」提出により幕引きを図ろうとしたことで、与野党の対立が激化。野党が集中審議と党首討論を求める中、日本維新の会が重視する定数削減と副首都の2法案審議入りを与党が強引に進めたため、国会審議が全面的にストップした。
中道改革連合幹部は「法案は通してもらいたいが、国会に出たくないという理屈は通用しない」と反発。首相が拒否する集中審議と党首討論の二つを正常化の「最低条件」と位置付けた。
自民にも首相の軟化を求める声がある。石井準一参院幹事長は「集中審議を行うことが望ましい」と明言。参院幹部は「『予算委に出てこい』と官邸に突き付ける展開もあり得る」と語った。
皇室典範改正案の審議を最優先にしたい自民は、維新肝煎り2法案の審議「中断」を提案した。だが、野党はあくまで「断念」を求め、折り合っていない。
一方、維新からは2法案成立に向け、60日間の会期大幅延長論まで飛び出した。吉村洋文代表との「蜜月」関係を重視する首相の存在が強気の背景。審議入り強行も、維新の意をくんだ首相の指示によるという。
とはいえ、自民側に熱量は乏しい。維新としては首相の後ろ盾を得ただけでは見通しが立たず、「定数削減は先送りでも仕方がない。副首都法案は仕上げたい」(ベテラン)といった声が上がるなど妥協の兆しも見える。
7日には吉村氏が、大阪府知事として北陸新幹線建設に関する与党会合に出席するため上京する。首相と国会対応を協議する可能性がある。
空転により国旗損壊処罰法案など「高市カラー」案件も審議が止まった。会期延長は不可避との見方もあり、延長幅に関する発言も出てきそうだ。
【時事通信社】
〔写真説明〕「第37回日本ジュエリーベストドレッサー賞」の特別賞を受賞した高市早苗首相=4日午後、東京都江東区(代表撮影)
〔写真説明〕国会正常化に向けて会談に臨む自民党の鈴木俊一幹事長(右)と中道改革連合の階猛幹事長=2日、国会内
2026年07月05日 07時00分