電機業界投資に意欲=数千億円規模も、AIで需要増―米ブラックストーン



米投資ファンド、ブラックストーンの坂本篤彦日本代表は時事通信のインタビューに応じ、来年にも日本の電機業界に投資することを検討していると明らかにした。人工知能(AI)の爆発的な普及を受け、データセンターや電力供給網の増強に使われる部品や部材の需要が高まっていると分析。電子部品メーカーなどが念頭にあるとみられ、投資額は数千億円規模を想定している。

ブラックストーンは全世界でデータセンター関連の投資に力を入れており、昨年にはカナダ年金制度投資委員会と共同で、オーストラリアのデータセンター運営大手エアトランク社を240億豪ドル(約2兆5000億円)で買収した。坂本氏は「商流全てに投資しているので、グループ内で緊密に情報共有できることが強みだ」と強調した。

日本の電子部品メーカーについては、「ポテンシャルがあるのに攻め切れていない」と指摘。メーカーが海外を含む法人向けの販売拡大を目指す上で、「次の成長分野や需要を見定める手伝いができれば」と語った。

東証の市場改革や「物言う株主」の圧力を背景に、坂本氏は「日本の上場企業の減少トレンドは当分続く」と述べ、「チャンスはたくさん眠っている」と投資拡大に意欲を示した。

ブラックストーンはこれまで日本国内ではヘルスケア、テクノロジー領域に注力してきた。大衆薬を手掛けるアリナミン製薬のほか、電子漫画配信サイト「めちゃコミック」を運営するインフォコム(現アムタス)などへの投資実績がある。

〔写真説明〕インタビューに応じるブラックストーンの坂本篤彦日本代表=1日、東京都千代田区

2025年12月14日 07時05分


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