
日経平均株価が23日、史上初の6万円台を付けた。米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて急落した株価が上昇した背景には、戦闘収束への思惑がある。ただ、資金の流入先は中東情勢に左右されにくいハイテク株に偏る。原油高による世界経済への懸念も強く、高値警戒感がくすぶる。
3月31日終値で5万1063円だった日経平均は、1カ月足らずで大台に乗せた。しかし、個別銘柄の動きからは、中東情勢とは別の事情も透けて見える。株価を押し上げた主役はアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ。3銘柄で約5000円押し上げた。1銘柄の寄与度が日経平均より小さい東証株価指数(TOPIX)は2月末の最高値に届いていない。
半導体やAI関連企業は「高成長が見込める産業で、原油高の影響も受けにくい」(中堅証券)とされ、その分、中東情勢の改善が有利に働く業種でもない。しかし、4月に入って世界的に株価が復調する中、ハイテク株の強さが目立ち、「ライバルと競争する運用会社の担当者が、乗り遅れまいとばかりに買った」(銀行系証券)という。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は、中東のエネルギー生産が開戦前水準に戻るのに2年かかるとの見通しを示す。原油は高止まりしており、「企業業績や個人消費への悪影響は避けられない」(民間シンクタンク)。6万円到達による達成感も出やすく、「今後、AI偏重のゆがみを修正する局面を迎える」(投資助言会社)といった見方も少なくない。
〔写真説明〕日経平均株価を示すモニター=23日、東京都内(AFP時事)
2026年04月23日 22時52分