「『焼け野原』払拭したかった」=長田区の商店街復興に尽力―総菜店店主の女性・17日で阪神大震災31年



阪神大震災から17日で31年となる。100年以上の歴史を誇る神戸市の長田神社前商店街(長田区)で総菜店「おかずふぁくとりー」を営む村上希実子さん(72)=同区=は震災後、商店街の復興に長年取り組んできた。原動力となったのは、地震後の火災で多くの住民が同区から避難したことへの危機感。「『焼け野原』のイメージを払拭したかった」と振り返る。

長田区は1995年1月17日に起きた地震後の大規模火災で甚大な被害を受け、南部は焼け野原と化した。「(北部の)山側に住む私は、上から燃え盛る街を見詰めることしかできなかった。炎から離れているのにすすが降ってきて、光景は今も忘れられない」と目を潤ませる。

自宅の被害は少なかったものの、商店街の建物のほとんどは全半壊し、精神的ショックは大きかった。不安にさいなまれたが、父から「こんな時こそしっかりして」と励まされ、発生から20日後に店を再開。炊き出しの食事は量が少なかったこともあり、「温かいご飯ありますか」と多くの客が訪れた。被災者である客の心情を考え、炊きたてのご飯をいつもの半額で売る日々が続いた。

店の切り盛りで忙しかったが、地震後しばらくしても活気が戻らない区のことが気がかりだった。名所の長田神社は鳥居が倒れ、南部ではあちこちに燃えたがれきの山が残っていた。多くの住民が区外に避難し、人の気配もなくなった。「『焼け野原』として知られたイメージを払拭し、人の流れを戻したい」。神社に新たな鳥居が完成すると、報道機関に除幕式の日時を積極的にPRし、神社と市営地下鉄の駅を結ぶ商店街に人を呼ぼうと駅名変更などの運動にも取り組んだ。

現在も「街作り協議会」の副会長として、地区で使えるポイントカードを自治体と一緒になって改良するなど、街の活性化に尽力する。「商店街は全国的に廃れつつある」と懸念も持つが、「存続には行政との連携も不可欠。これからも貢献していきたい」と意気込んだ。

〔写真説明〕長田神社前商店街で総菜店を営む村上希実子さん=8日、神戸市長田区

2026年01月16日 07時05分


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