アニメ療法、実証始まる=全国初、イタリア人医師考案―若者の悩みに対応・横浜市大など



横浜市立大などの研究チームは、社会で生きづらさを抱える若者を対象に、アニメのキャラクターが悩みなどのカウンセリングをする「アニメ療法」の実証実験を始めた。カウンセリングにアニメを活用する取り組みは全国初という。

アニメ療法は日本の医師資格を持ち、自身もアニメ好きのイタリア人精神科医パントー・フランチェスコさんが考案した手法。日本のアニメなどフィクション作品の鑑賞を通じ、心が不安定な状況にある人の精神をケアする。背景や抱える葛藤などが細かく描かれている日本のキャラクターは共感性が高く、感情移入がしやすいためカウンセリングの材料として適しているという。

実証実験は、軽度のメンタル不調を自覚している18~29歳の男女約20人を対象に、アニメ療法の手法を取り入れた「キャラクター・カウンセリング」を実施。昨年10月~今年6月の期間中、参加者はフランチェスコさんが考案した男女3人ずつのアニメキャラクターの中から1人を選び、オンラインでカウンセリングを受ける。キャラクターにはそれぞれ性格や抱えてきた葛藤などが設定され、心理士が変声機を使って演じ、参加者と対話を重ねる。

研究チームはこれまで、10代後半~20代の若者が抱える「生きづらさ」をテーマに調査を行ってきた。今回の実証実験で、参加者の抑うつ度を示す心理指標や満足度を測定し、キャラクター・カウンセリングの安全性や、より重い精神疾患を抱える人にも実施できるかなどを検証する。

責任者の石井美緒・同大助教は、精神疾患のうち75%は24歳以下で発症すると指摘。「若者は気持ちの不調があっても診察に訪れる人は非常に少ない。アニメ療法が新たな選択肢になるようにしていきたい」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕横浜市立大などの研究チームが行う「アニメ療法」の参加者を募集するポスター(研究チーム提供) 〔写真説明〕取材に応じる横浜市立大の石井美緒助教=2025年12月24日、横浜市

2026年01月15日 14時30分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース