世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に改めて解散を命じた4日の東京高裁決定は、信者らによる不法行為の根本原因は教団にあると厳しく批判した。教団財産の清算手続きを担う清算人には、献金被害者らへの早急な補償対応が求められる。
決定は、教団が韓国本部総裁の韓鶴子氏らの活動資金を得るために信者らの不当な献金勧誘を容認したと、地裁より踏み込んだ認定をした。教団自体に責任があると明確に判断したと言える。
今後は清算人が教団の資産を調査し、債権の取り立てや債務の弁済を進める。財産隠しを懸念する声があり、早期の保全が必要だ。信者の親を持つ「宗教2世」らによる損害賠償訴訟などが続いており、審理を円滑に進めることも期待される。
教団を巡っては、1980年代から霊感商法や高額献金が社会問題化。再び注目を集めたのは安倍晋三元首相銃撃事件後で、自民党議員を中心に政界とのつながりが浮上した。母の献金被害を巡る訴訟で勝訴した女性は「カルトに政治家がお墨付きを与えることがあってはならない」と話す。
地下鉄サリン事件を受け解散に至ったオウム真理教の事例では、団体規制法に基づき後継団体の監視が続く。今回の解散命令請求を主導した政府には、任意団体として残る旧統一教会の活動を継続的にチェックできる体制を整備する責任がある。(時事通信社会部・小山貴央)。
2026年03月05日 07時05分
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