
東日本大震災の発生から15年となった岩手、宮城、福島各県の沿岸部では11日夜、犠牲者を追悼する灯篭やランタンの明かりが辺りを温かく照らした。
福島県富岡町の公園では「町に人が来てほしい」と書かれた約760個の灯籠などが並んだ。60代の女性は「きょう暗闇の中に明かりがともったように、たくさんの人が笑顔になってほしい」と声を詰まらせた。
同県いわき市の海岸では花火が夜空に舞った。多くの常連客が津波の犠牲になったという美容室経営の70代女性は「亡くなった人たちも花火を見ていたんじゃないか。15年でやっと前を向く気になった」と語った。
岩手県陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園では、子どもたちが絵などを描いた紙ランタンが辺りを照らした。同市の会社員千田由美子さん(50)は友人を失い、地元が変わり果てたことについて「現実離れしていて、受け入れるのに時間がかかった」と話した。
津波で児童ら84人が犠牲となった宮城県石巻市の震災遺構「大川小学校」では、当時の在籍児童数と同じ108本の竹の灯籠に明かりがともされた。小学6年の息子を失った佐藤和隆さん(59)は「息子との時間はあの日のまま。もっとわがままを聞いてあげればよかった」と悔やんだ。
〔写真説明〕鎮魂や復興の願いを込めてともされた明かり=11日午後、福島県富岡町
〔写真説明〕いわき震災伝承みらい館の外でライトアップされた黄色いハンカチを見る人たち=11日午後、福島県いわき市
〔写真説明〕震災遺構「大川小学校」でともされた「竹あかり」=11日午後、宮城県石巻市
〔写真説明〕東日本大震災の犠牲者を追悼する行事で、ランタンを見詰める子どもたち=11日午後、岩手県陸前高田市
2026年03月11日 21時13分