
女性の不妊手術に制限を設ける母体保護法の規定は憲法違反だとして、20~30代の女性が国に手術を受けられる地位の確認や損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であり、鎌野真敬裁判長は「違憲とは言えない」として請求を退けた。一方、規定について「合理性に乏しく、不妊手術に関する制度の在り方については適切な検討が望まれる」と述べた。
母体保護法は不妊手術を受けられる要件として、本人や配偶者が同意し、妊娠や出産が生命に危険を及ぼす場合か、既に複数の子を持ち出産によって健康を著しく低下させる場合などと定めている。
判決などによると、原告は不妊手術を希望し、国内の産婦人科で断られた5人。1人はのちに海外で手術した。
鎌野裁判長は、幸福追求権を定めた憲法13条が女性に「避妊の自由」を保障していると指摘。ただ、避妊法は複数あり、不妊手術でなければ避妊できないとは言えないとして、「13条が不妊手術を受ける権利や自由を保障していると解することは困難」と判断した。原告側は即日控訴した。
原告側の代理人弁護士によると、避妊の自由を認めた司法判断は初めて。都内で記者会見した女性(26)は「訴えは棄却されたが大きな成果。控訴審に確実につながっていく希望を見いだすことができた」と話した。
〔写真説明〕母体保護法を巡る訴訟の判決後、記者会見する原告女性ら=17日、東京都千代田区
〔写真説明〕母体保護法を巡る訴訟の判決を前に、東京地裁に向かう原告女性ら=17日、東京都千代田区
2026年03月17日 17時56分