
東京電力福島第1原発事故から15年に当たり、同社福島第1廃炉推進カンパニーの小野明代表が時事通信のインタビューに応じた。今後の廃炉作業は、溶け落ちた核燃料(デブリ)の本格的取り出しが焦点だとした上で、「それ以外の作業の見通しは2030年代初めには示せる」と述べ、51年とされる廃炉目標は「現時点で変える必要はない」とした。主なやりとりは次の通り。
―事故から15年の所感を。
直後の危機的な状況を脱して、現在は先を見て廃炉を進められるようになった。汚染水の発生量は減少し、デブリの試験的取り出しは2回完了した。大規模取り出しに向け、さまざまな設計に生かせると期待している。
―51年の廃炉完了目標は実現できるのか。
昨年7月に3号機のデブリ大規模取り出しに向けた具体的な工法と、準備に12~15年かかることを報告した。実現可能性などの検証を進めているところだが、目標は現時点で変える必要はないと考えている。
―取り出したデブリの将来的な保管場所についての検討状況は。
処理水の海洋放出で空になったタンクを計画的に解体し、デブリを保管する敷地確保を鋭意進めていく。第1原発の構内で十分に確保できると考えている。
―今後1年間の課題は。
重要な作業が目白押しだ。1号機建屋上部のがれき撤去が4月にも始まる。2号機の使用済み燃料プールからの核燃料取り出しが6月までに、ロボットアームによる3回目のデブリ試験的取り出しは夏にも開始できると考えている。
―その後の見通しは。
31年には各号機の使用済み燃料プールから全ての燃料の取り出しを終える予定だ。デブリの本格的取り出し以外の作業については、30年代初めには見通しを示せると考えている。いよいよデブリに注目して廃炉作業を進める段階に入るだろう。
―柏崎刈羽原発の再稼働を巡っては、福島第1原発の廃炉状況が新潟県民の賛否に影響したと考えられる。責任者としての思いは。
柏崎6号機では、一つ一つの作業が安全最優先で進められている。福島への責任を果たすという当社の使命は変わらない。安全かつ着実に廃炉を進めていく。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに答える東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの小野明代表=4日、東京都千代田区
2026年03月12日 07時12分