2051年の廃炉、極めて厳しく=デブリ本格回収、見通せず―東電福島第1原発―東日本大震災15年



事故から15年を迎えた東京電力福島第1原発では、廃炉作業の進展により構内の景色が大きく変わった。ただ、作業が順調に進んでいるとは言えず、1~3号機に880トンあると推計される溶け落ちた核燃料(デブリ)の本格的な取り出しは昨年、当初の2030年代初頭から37年度以降に修正された。東電は51年とされる廃炉完了目標を維持する姿勢を崩していないが、実現は極めて厳しい状況だ。

1月下旬、炉心溶融を起こした1~3号機を一望できる高台に立つと、眼前に広がる景色は前年から一変していた。1号機建屋上部が大型カバーによって完全に覆われ、事故の惨状を物語るむき出しの鉄骨などが見えなくなった。

ただ、1、2号機では使用済み燃料プールにいまも核燃料が残されたままだ。2号機では専用のクレーンなどが設置され、今年6月までに作業開始の予定。1号機では建屋上部のがれき撤去を終えてから27~28年度に着手する見通し。

2号機のデブリの試験的取り出しでは24年秋と25年春の2回で計約0.9グラムを採取。日本原子力研究開発機構(JAEA)などで分析した結果、ウランが全体的に分布していることや人の力程度で砕ける硬さだったことなどが分かった。

3号機のデブリの本格的取り出しに向けては、東電と原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)が昨年7月、充填(じゅうてん)剤でデブリを固める方法などを組み合わせ、建屋の上部と横から装置を入れて回収する工法を公表。準備に12~15年程度必要となるため、着手時期を37年度以降に遅らせた。

東電は今後、1~2年ほどかけて実現性を検証するとしているが、現状では回収したデブリの管理方法は決まっていない。1~2号機は本格的取り出しに向けた検討が始まったばかりだ。

廃炉完了の目標時期について、原子力規制委員会の前委員長でNDFの更田豊志廃炉総括監は「もともと困難だと考えている」との見解を示しているが、東電はあくまでも51年の目標時期は維持する考えを崩していない。同社福島第1廃炉推進カンパニーの小野明代表は「現時点では一つの目標として作業を進めたい」と述べた。

【時事通信社】 〔写真説明〕大型カバーに覆われた東京電力福島第1原発1号機。事故の惨状を物語るむき出しの鉄骨は見えなくなった=1月27日、福島県大熊町 〔写真説明〕水素爆発を免れた東京電力福島第1原発2号機。今年6月までに開始予定の使用済み核燃料取り出しに向け、専用クレーンと構台(写真右)を設置した=1月27日、福島県大熊町 〔写真説明〕2037年度以降に溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに着手予定の東京電力福島第1原発3号機=1月27日、福島県大熊町

2026年03月12日 07時11分


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