日本女子、涙の五輪切符=覚悟と成長の4年―カーリング最終予選



5―5の第10エンド。先攻ノルウェーが最終投で円心に最も近い位置に置けず、日本女子の勝利と五輪出場が決まった。スキップの吉村が涙を拭う。「やっとつかめた。このメンバーで五輪に行きたい気持ちが強かった」。選手は5人並んで、五輪会場の方角へ矢を射るポーズ。今秋の事前合宿で予行演習した歓喜の瞬間を実現させた。

氷の状態を思うように読めず、リードの近江谷は「我慢の展開だった」という。苦労しながらも、3―3の第5エンドは吉村の絶妙なドローショットで1点をスチール。この試合のショット成功率は日本の88%に対し、ノルウェーは77%。9日に屈した難敵に重圧をかけてミスを誘発し、精度で上回った。

4年前に北京五輪への道が断たれ、スポンサーも失い、2026年五輪を目指してゼロから再スタートを切った。10年バンクーバー五輪を経験している近江谷は「覚悟が変わったのが一番大きい。この4年は全く違うカーリング人生」と言う。世界最高峰の海外ツアー大会でもまれ、五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレなどとの厳しい代表争いを勝ち抜いて成長。自信が芽生えた。

腰痛を抱えるサードの小野寺に代わって出場したフィフスの小林も役割をこなすなど、総合力も光る。セカンドの小谷は「まだまだ成長できる」と貪欲だ。小野寺は「この最高のメンバーで金メダルを目指す」と宣言。苦難を乗り越えて強くなった結束力を夢舞台でも発揮する。

【時事通信社】 〔写真説明〕五輪出場を決めて喜ぶ日本女子の近江谷(右端)、小谷(左端)ら=10日、カナダ・ケロウナ 〔写真説明〕五輪出場を決めて喜ぶ日本女子チーム=10日、カナダ・ケロウナ

2025年12月11日 17時58分


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