森保体制、2期8年の功罪=強豪相手に脱却できず―サッカー日本、夢は続く(下)



日本代表がW杯に初出場した1998年以降、森保監督は初めて2大会連続で指揮を執った。前回カタール大会はベスト16、今大会はベスト32。どちらも欧州の強豪がいた中で、1次リーグを突破したのは評価に値する。

第1次体制では、東京五輪男子代表監督を兼任した。今大会も堂安や冨安、上田ら、当時の五輪チームから10人がメンバー入り。けがで外れた三笘と遠藤(当時オーバーエージ枠)も、本来なら選ばれていた。

2期8年。監督は世代交代を進め、新たな戦力も発掘しながら強化を進めた。その間、チームの核をなしたのは、東京五輪世代。「いい守備からいい攻撃」を軸としたコンセプトをじっくり落とし込み、ここ最近は安定した戦いを見せていた。

かつて監督は、チームづくりを陸上競技に例えたことがある。「日本人は100メートル走では、まだ勝てないかもしれないが、バトンをつなぐリレーであれば勝てる。サッカーも同じかなと」。日本人の「察する力」と助け合う強みを生かし、プレスの連動性を磨いた。

昨年にはブラジル、今年3月にはイングランドに初勝利。欧州勢には8勝3分けと無敗が続く。だが、強豪国にプレスは通じても、ボール支配率は3割台がほとんど。前回、堅守速攻からドイツ、スペインを撃破した「戦術カタール」からは脱却できないままだった。

冨安は、ビニシウスら一人で打開できる選手に対し、数で補って守る日本の強みを尊重した上で言った。「世界トップのクラブや国はそんなことはないわけで。一人で対処できれば、そんなことをしなくてもいい。将来的に見たときもいいものなのか」と投げ掛けた。

強豪国を次々と苦しめた鋭いカウンターは、今後も武器として持っていていい。ただ、「最高の景色」へ向かうには、攻守に見えた課題は多い。森保監督の3期目はあるのか。継続性のメリットか、はたまた硬直化の弊害となるのか。日本協会の判断が問われる。

【時事通信社】 〔写真説明〕ブラジル戦でメモを取る森保監督=6月29日、米ヒューストン 〔写真説明〕オランダ戦で声を出す森保監督=6月14日、米ダラス 〔写真説明〕ブラジル戦で指示を出す森保監督=6月29日、米ヒューストン

2026年07月04日 07時06分


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