ウクライナ東部で猛攻=ロシア、対米会談控え「前進」狙う



15日の米アラスカ州での米ロ首脳会談を前に、ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州で猛攻を仕掛け、ウクライナ側が押される形で前線が大きく動いている。ロシアのプーチン政権はウクライナでの停戦に向けた条件闘争でより優位な立場に立てるよう、軍事力での威圧を進めている。

ウクライナ公共放送によると、ゼレンスキー大統領は12日、「ロシアが前進し、ウクライナが領土を失っている」という印象を仲介役の米国に植え付けるのがプーチン政権の狙いだと指摘した。

ロシア軍は包囲を進めるドネツク州の交通の要衝ポクロフスク付近で攻勢を一段と強化した。ウクライナ国防省系のサイトは11日、ポクロフスク北方ドブロピリャでロシア軍が攻撃を活発化させたと報告。ウクライナ軍は「敵は大損害を被りながら、防衛線の突破を試みている」と分析した。

ドネツク州などウクライナ東部2州の完全掌握を目指すプーチン政権は、停戦に向けたウクライナ軍の撤退を一方的に提案。トランプ米大統領が先に意欲を示した「領土交換」でドネツク州などを確保しようと画策している。

これに対し、ゼレンスキー氏は12日、「ウクライナはドネツク州の支配地域から撤退しない」と発言。同州をロシアに明け渡せば、将来のさらなる侵攻での足掛かりになりかねないと訴えた。

英紙デーリー・テレグラフは、現在の前線で停戦ラインを引く案なら、ウクライナが応じる可能性があると伝えている。

【時事通信社】 〔写真説明〕ウクライナ東部ドネツク州ポクロフスク付近の前線=6月11日(EPA時事)

2025年08月13日 18時02分


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