
【ワシントン時事】トランプ米政権が、報道機関への圧力を一段と強めている。ホワイトハウス公式サイト内に「恥の殿堂」と称する、政権に批判的な報道を名指しで非難する専用ページを開設。トランプ大統領は意に沿わない質問や報道を行った記者への侮辱も繰り返している。
国防総省は2日、職員に情報提供を求める行為などを規制する新たなルール導入後初の記者会見を実施。新ルールの受け入れに応じた新興メディアが参加する一方、反対したメディアは出席できなかった。
米政権は報道機関を敵視する姿勢を鮮明にする。ホワイトハウスの専用ページでは「今週の違反メディア」として複数の報道機関名を列挙。「麻薬密輸船」とされる船舶への攻撃に関する記事などを取り上げ、一方的に「偏向」「虚偽」「左派の狂気」と断じた。「底辺への競争」としてランキング表まで掲載する力の入れようだ。
トランプ氏は、自身と親交があり、少女らへの性的搾取で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏の質問をした記者に対し「黙れ、子豚」と暴言を吐き、別のテレビ局記者には局の放送免許を取り消すと脅した。
さらに、トランプ氏の加齢による衰えについて記事を書いたニューヨーク・タイムズ紙記者を、「内面も外見も醜い」などとSNSで中傷。別の記事を巡って同紙を相手取り、巨額の損害賠償を求める訴訟も提起している。
こうした対応に関し、米メディアからは報道の自由を損なうとの懸念が相次ぐが、レビット大統領報道官は記者会見で「メディアに責任を取らせることが政権初日からの約束だ」と主張。意に介する様子はない。
【時事通信社】
〔写真説明〕トランプ米大統領=4日、ワシントン(AFP時事)
2025年12月06日 20時30分