「今の国会、妻の方が必要」=引退表明の寺田学氏インタビュー



次期衆院選に出馬せず、今期限りで政界を引退する立憲民主党の寺田学衆院議員(49)が時事通信のインタビューに応じ、決断の理由などを語った。妻で無所属の寺田静参院議員(50)と2人で政治活動を続ける中、家事や育児、介護との両立が困難になったと説明。女性の政治参画を一層進める重要性に触れ、「妻の方が今の国会に必要だ」と強調した。主なやりとりは次の取り。

―政界引退の理由は。

家事と育児を両立させながら、地元活動も含めて十分に(国会議員を)続けていくことは難しい。私は身を引き、家事と育児と介護を一層担うことで、妻の活動を優先させる結論を夫婦で出した。

6年前に妻が立候補したときは、何とか両立できると思っていた。しかし、子どもが小学校の高学年に入るぐらいから、土日は学校の部活や発表会があり、十分地元に帰って活動できなくなった。

―国会議員を続けたい気持ちは。

正直あるが、それだけで解決する問題ではない。

―静氏ではなく自身がサポートに回る理由は。

世の中が息苦しいのは、育児も介護も家事も誰かにやらせて仕事だけできる立場の、主に男性が意思決定に関わり続けているからだ。妻の方が今の国会に必要とされている。

―夫婦の片方がキャリアを諦める事態を減らすには何が必要か。

女性の賃金が低く「稼いでいる方が働く」という選択がされているので、男女の賃金格差をゼロにすることが大事だ。そのためには、女性が意思決定に加わることが大前提だ。男女の賃金格差がなくなれば、(夫婦の)どちらが働くかをよりフェアに判断できる。彼女に仕事を優先してもらうことが社会のためだと思い、引くことを決めた。

―国会議員の働き方は変わるべきだと思うか。

思う。生活感を失ったら、生活している人たちから施策が離れていく。家事も育児も妻に投げている人たちだけで物事を決めるから、(政治が)とんちんかんになっている。

―首長も含め政界復帰はないか。

ない。2、3年前から妻と話し合ってきたことで、割り切りはある。(引退決断に)妻は今でも苦しんでいるが、精いっぱい議員をやってほしい。

【時事通信社】 〔写真説明〕今期限りでの政界引退を表明した立憲民主党の寺田学衆院議員=25日、東京都千代田区

2025年09月29日 07時01分


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