特殊詐欺グループに販売する目的で他人名義の口座を譲り受けたとして、愛知県警などは16日、詐欺と犯罪収益移転防止法違反の疑いで住所不定、無職西川悠輔容疑者(32)ら7人を逮捕した。犯罪収益のマネーロンダリング(資金洗浄)受け皿として年間約1000口座を仲介しており、同容疑者をトップとする国内最大級のブローカーとみられる。国内だけでなく、海外を拠点とする中国系詐欺グループにも提供していたといい、県警などは組織の解明を進めている。
他の逮捕者は、パート従業員高田香菜美(32)=北海道帯広市、会社員平山良麻(27)=高松市、無職新谷雅弥(36)=山口県宇部市=各容疑者ら中枢メンバー。無職松本枝実子容疑者(35)=福岡県八女市=はミャンマー拠点詐欺でかけ子の勧誘に関わり、9月に逮捕されていた。
7人の逮捕容疑は4~5月、他人名義のスマートフォンを詐取したほか、ネットバンキングのアプリを入れて預金口座とひも付いたスマホ1台を沖縄市で譲り受けた疑い。西川容疑者ら5人は認め、高田、松本両容疑者は否認している。
県警サイバー犯罪対策課によると、西川容疑者らは遅くとも3年前から活動していた。匿名性の高いテレグラムのグループチャットに「日本最大口座仲介業者」と日本語や中国語で宣伝。「闇バイト」から主に金融機関や暗号資産(仮想通貨)の口座、各口座とひも付いたスマホをセットで仕入れ、詐欺グループに仲介していた。
【時事通信社】
2025年10月16日 16時15分
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