日米関税合意で署名式調整=来週のトランプ氏来日で―グラス大使「新首相、楽しみ」



グラス駐日米大使は20日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、トランプ政権の関税措置を巡る日米合意について「近く最終的な署名式が行われる」と語った。日米外交筋によると、トランプ大統領が来週初めに2期目として初来日した際に両政府が署名式を調整している。

関税合意について、グラス氏は「日本からの5500億ドル(約82兆円)の投資は米国の衰退産業を再生し、今世紀を形作る分野での日米の主導権確保に寄与する」と評価。日米はサイバーセキュリティーなどに関しても合意を目指していると語った。

トランプ政権は日本への相互関税を15%、自動車関税も15%としている。

グラス氏はまた、日本の新首相が21日に選出されることを踏まえて、「トランプ氏は故安倍晋三首相と築いたような対日関係を好むだろう」と指摘。「われわれは新首相と会うのを楽しみにしている」と述べた。27~29日で予定されているトランプ氏の来日には、多数の閣僚が同行する見通しだという。

中国については「軍事的、経済的、技術的な覇権を握る決意を固めている」と主張した。ステルス戦闘機F35から海上自衛隊の護衛艦「もがみ」まで、現代の技術は中国が独占するレアアース(希土類)に依存していると指摘。中国が最近、レアアースの輸出規制を強化したことに懸念を示した。

その上で、日本が米国の鉱業への投資を増加させることに期待感を表明し、日米の連携によって「中国の威圧から免れることになる」と強調した。



◇ジョージ・グラス氏略歴

ジョージ・グラス氏

米西部オレゴン州生まれ、オレゴン大卒。投資銀行や不動産会社経営を経て、トランプ政権1期目の17~21年に駐ポルトガル大使。妻メアリーさんとの間に3子。長男ゴードンさん夫妻が日本で十数年間生活している。カトリック教徒。65歳。

【時事通信社】 〔写真説明〕内外情勢調査会で講演するグラス駐日米大使=20日午後、東京都千代田区 〔写真説明〕内外情勢調査会で講演するグラス駐日米大使=20日午後、東京都千代田区

2025年10月21日 07時23分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース