【ワシントン、シカゴ時事】全米各地で18日、不法移民の取り締まりや「治安維持」名目での州兵派遣など強権的な姿勢を強めるトランプ大統領に対する抗議デモが行われた。主催者によると、全50州の2700カ所以上で行われ、700万人近くが参加。第2次トランプ政権発足後、最大規模となったもようだ。
ホワイトハウスがある首都ワシントンに加え、ニューヨーク中心部にあるタイムズスクエアや中西部イリノイ州シカゴにある高層ビル「トランプタワー」の周辺などに市民らが集結。「NO
KINGS(王はいらない)!」「言論の自由を」などとシュプレヒコールを上げ、トランプ政権に「ノー」を突き付けた。移民税関捜査局(ICE)の過度な取り締まりに反対するプラカードを掲げる人々も集まった。
同様の抗議デモはトランプ政権が軍事パレードを行った6月にもあったが、この時は全米1500カ所超にとどまった。
シカゴの会場には、州兵派遣を巡ってトランプ氏と鋭く対立する同州のプリツカー知事(民主党)が参加。トランプ氏の強権的な対応を非難し、「われわれは抵抗し続ける」と強調した。ワシントンでは民主系無所属のサンダース上院議員が演説し、「権威主義には向かわず、民主主義の社会を維持する。人民が統治する」と訴えた。
ワシントンの集会に駆け付けた南部バージニア州在住の元海軍兵士、ジョシュア・バーンズさん(44)は「労働者から社会保障を奪い、痛めつけている。とんでもないことだ」とトランプ政権への不満をあらわにした。
トランプ氏は17日から南部フロリダ州の邸宅「マールアラーゴ」に滞在。18日は近くのゴルフ場で時間を過ごした。
【時事通信社】
〔写真説明〕18日、ワシントンで、トランプ政権に抗議の声を上げるデモ隊(ロイター時事)
〔写真説明〕18日、米中西部ミズーリ州カンザスシティーでトランプ政権に抗議するデモ隊(AFP時事)
〔写真説明〕18日、米中西部イリノイ州シカゴで、政権批判デモに参加する同州のプリツカー知事(中央)
〔写真説明〕18日、米ワシントン市内で行われた反トランンプ政権デモの参加者
2025年10月19日 19時01分