ウクライナ侵攻終結へ「最終段階」=米大統領、ゼレンスキー氏と会談―プーチン氏と電話協議も



【ワシントン時事】トランプ米大統領は28日、南部フロリダ州の邸宅「マールアラーゴ」で、ロシアの侵攻が続くウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。トランプ氏はゼレンスキー氏を出迎えた際、記者団を前に侵攻終結に向けた協議が「最終段階にある」と指摘。ロシアとウクライナの両首脳が戦争終結を望んでいると強調した。会談に先立ち、ロシアのプーチン大統領とも電話で協議した。

会談では、ゼレンスキー氏が公表した20項目の和平案を巡り議論。ロシアとの協議の末に28項目の和平案を作成したが、ウクライナや欧州諸国の意見を取り入れて20項目へと修正された。米ウクライナ両首脳は和平案の詳細を詰める。

具体的には、集団防衛義務を定めた北大西洋条約機構(NATO)条約第5条に類似した内容を含む「安全の保証」の枠組みに加え、ロシアが求めているウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州)からのウクライナ軍の撤退などが焦点だ。

ゼレンスキー氏はロシア軍の前線からの撤退を条件にドネツク州からの軍撤退を受け入れ、非武装化後に米側が提案した「自由経済地域」を設置すると表明。ただ、憲法上の制約から同案の実現には国民投票が必要との立場を示している。

トランプ氏とゼレンスキー氏の対面会談はホワイトハウスで行った10月以来。米国からルビオ国務長官、ウィトコフ中東担当特使、米軍のケイン統合参謀本部議長らが同席し、ウクライナからウメロフ国家安全保障・国防会議書記とフナトフ参謀総長が出席した。

一方、トランプ氏はプーチン氏とのやりとりについて「非常に生産的だった」とSNSで表明。ゼレンスキー氏との会談後、改めてプーチン氏と電話で話し合うと明らかにした。

【時事通信社】 〔写真説明〕28日、米南部フロリダ州パームビーチの邸宅「マールアラーゴ」でウクライナのゼレンスキー大統領を出迎えるトランプ米大統領(AFP時事)

2025年12月29日 08時46分


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