
【イスタンブール時事】イラン各地で続く反体制デモで、ノルウェーが拠点のイラン人権団体は13日までに治安部隊との衝突に伴うデモ隊の死者が640人を超えたと明らかにした。イラン指導部は強硬な姿勢を崩さず、鎮圧を急いでいる。米国がイラン攻撃の検討を本格化させる中、イラン側は介入すれば軍事的に報復するとけん制。緊張が高まっている。
イランではインターネット接続がほぼ遮断され、デモの規模や被害の全容把握は困難だ。政府はSNS投稿を通じたデモの拡大や、治安当局による過酷な弾圧の情報が国外へ流れる事態に神経をとがらせている。死者数は伝えられている以上に多い恐れがあり、人権団体は未確認報告として、犠牲者が6000人以上に達する可能性もあるとしている。
軍事介入の可能性を示唆するトランプ氏は13日に具体策について政権幹部らと協議する予定だ。ただ、米国の武力行使により、体制支持者の結束をかえって強め、イラン側の激しい報復を招く懸念も残る。米紙ニューヨーク・タイムズによると、米軍高官は、イランへの攻撃に先立ち、防衛態勢を固めることが必要だとの認識を強めている。
イランの首都テヘランなど各地では12日、体制支持を訴える大規模集会が開かれ、国営メディアが大々的に報じた。最高指導者ハメネイ師は集会にメッセージを寄せ、「決意に満ちた集会が敵の計画を無力化させた」と主張。反体制デモに対抗して団結を誇示することで、国内を引き締め米国の介入を阻止しようとする狙いがあるとみられる。
精鋭軍事組織「革命防衛隊」は11日の声明で、「犯罪的な米大統領が混乱と破壊を指揮し、イランを侮辱した。厳しい反応を予期すべきだ」と警告した。一方、アラグチ外相は12日、今回のデモを巡りウィトコフ米中東担当特使と連絡を取り合っていることを認めた。体制を存続するためデモ隊の排除を続けつつ、硬軟両様の対応で米国による攻撃の回避を模索しているもようだが、緊張緩和に向かうかは予断を許さない。
【時事通信社】
〔写真説明〕抗議デモが続くイランの首都テヘランで路上に集まる市民ら=8日投稿のSNSの動画より(ロイター時事)
2026年01月13日 17時07分