
【ワシントン時事】トランプ米大統領は21日、デンマーク自治領グリーンランドの領有問題を巡り、2月1日に欧州8カ国に対し発効予定だった追加関税を取りやめるとSNSで発表した。また、グリーンランドと北極圏全体に関する「将来的な取引の枠組み」で、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と合意したと明らかにした。これに先立ち、領有のための武力行使を否定した。
追加関税は、米国による領有に反発する英仏独などを対象としていた。欧州側が対抗措置を示唆する中、新たな「貿易戦争」への懸念から世界的株安を招いていた。発表を受け、ニューヨーク株式相場は急反発した。
トランプ氏は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)のため訪れているスイスでルッテ氏と会談した。その後SNSで「会談は非常に生産的だった」と評価。「(ルッテ氏と協議した)解決策が実現すれば、米国とNATO全加盟国にとって素晴らしいものになる」と述べた。具体的な合意内容は不明だが、米国の次期ミサイル防衛計画「ゴールデンドーム」に関して「追加協議が行われている」という。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、グリーンランドの米軍基地のみを米領と認める構想が浮上している。英国が1960年のキプロス独立時に基地のみを英領とした事例を参考にする。
トランプ氏は記者団に「望んでいた全てを手に入れた。(合意は)永遠に有効になる」と語った。AFP通信によると、NATO報道官は「ロシアと中国に経済的・軍事的な足場を築かせないことを目的として協議を進める」と説明した。
ダボス会議の演説では、グリーンランドは「(地理的に)北米の一部で、われわれの領域だ」と訴え、領有への意欲を改めて表明する一方、「武力を使うことはない」と明言した。その上で、グリーンランドの買収交渉に直ちに応じるようにデンマーク政府などに要求した。
【時事通信社】
〔写真説明〕21日、スイス・ダボスで会談する北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長(左)とトランプ米大統領(AFP時事)
〔写真説明〕21日、世界経済フォーラム年次総会が開かれているスイス・ダボスで演説するトランプ米大統領(AFP時事)
2026年01月22日 13時01分