国内対策に懸念、物価高足かせ=支持低迷、中間選挙に影―トランプ氏就任1年



【ワシントン時事】「米国第一」を掲げるトランプ大統領の2期目就任から20日で1年。ベネズエラ攻撃など外交で強硬姿勢を示す一方、国内では物価高が足かせとなり支持率は低迷している。信任投票となる11月の中間選挙に影を落としており、政権・与党共和党内ではインフレ対策など国内問題に軸足を移すよう求める声が強まっている。

「われわれは中間選挙で圧勝するはずだ」。トランプ氏は13日、2024年大統領選で激戦を演じた中西部ミシガン州で、こう強調した。

トランプ氏の演説は、株価の史上最高値更新などの「実績」を誇示するとともに、関税政策により米国への投資が拡大すると訴えるのが定番。焦点となっている物価高騰はバイデン前政権の失策と主張し、現在はインフレが収束しつつあると唱える。

しかし、国民の賛同は必ずしも得られていない。就任時に各種世論調査でおおむね5割を超えていたトランプ氏の支持率は、ギャラップ社の12月調査で2期目最低の36%に低下。特に、選挙で勝敗のカギを握る無党派層の支持率はほぼ半減しており、落ち込みは顕著だ。

選挙では共和党の苦戦が続いており、昨年11月のニューヨーク市長選など地方3選挙で全敗。いずれも争点はアフォーダビリティー(手の届く暮らし)で、物価高に対する有権者の不満が響いた形だ。ただ、トランプ氏の関心は国民生活よりもレガシー(政治的遺産)づくりのため外交問題に傾倒。年明けにベネズエラ攻撃に踏み切り、現在はデンマーク領グリーンランドの領有に強い意欲を示している。

こうした姿勢に対し、政権内には懸念が広がっている。米メディアによると、バンス副大統領やワイルズ大統領首席補佐官らは国民に身近な問題に目を向け、政権肝煎りの大型減税などの成果を前面に出すようトランプ氏に働き掛けている。

共和党内にも不満が募っており、打ち切られた医療保険制度(オバマケア)の補助延長を巡る法案採決では下院議員17人が造反した。政権は新たな住宅政策などを打ち出すが、党関係者からは「トランプ氏はもっと経済問題に集中すべきだ」との声が漏れる。

連邦議会は上下両院とも共和党が多数を占めるが、民主党との差はいずれもわずか。選挙分析機関クック・ポリティカル・リポートによると、中間選挙では上院は共和党が過半数を維持するものの、下院は伯仲が見込まれる。このためトランプ氏は下院の区割りを恣意(しい)的に変更する「ゲリマンダー」を推進。民主党が強い州を標的に保育支援関連資金を凍結するなど、露骨な政敵攻撃をいとわない。

ただ、中間選挙は一般に、与党が議席を減らす傾向がある。下院で過半数を失えば与野党で対立する法案を成立させることは困難となり、政策実行力は低下する。トランプ氏が下院で再び弾劾訴追されることも現実味を帯び、今後の政権運営や28年大統領選にも影響が及びそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領=13日、中西部ミシガン州デトロイト(AFP時事)

2026年01月20日 18時16分


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