中国、米「敵失」で好機=国際社会で求心力向上図る―トランプ政権1年



【北京時事】トランプ米大統領の就任から20日で1年。「米国第一」を掲げ、国際社会からの信用失墜を招いているトランプ政権の動きは、ライバルである中国にとって「敵失」であり、好機だ。米国とは対照的な「国際秩序の擁護者」として振る舞い、各国の対米不満をてこに求心力向上を図っている。

「一方的ないじめに反対する」。習近平政権は過去1年間、あらゆる外交の舞台でトランプ政権の行動をこう非難してきた。理不尽な迫害を連想させる「いじめ」の表現を多用し、習政権が米国への対抗軸として重視する新興・途上国に寄り添う姿勢をアピールした。

中国外務省は昨年6月、トランプ政権の高関税政策を念頭に、アフリカ53カ国への関税をゼロにすると発表。米国が途上国援助を縮小させる中、中国は影響を受ける南アフリカやネパールといった国々に代替となる支援を申し出た。

この間、習政権はビザ免除の対象国も拡大させた。トランプ政権が移民や留学生の排除を進めていることを踏まえ、人材・投資の取り込みを狙った。コロナ禍前、中国が短期滞在時のビザを一方的に免除していたのは3カ国のみだったが、昨年11月時点で48カ国になった。

トランプ氏が昨年9月の国連総会で気候変動は「詐欺」だと主張した直後には、習国家主席が中国の温室効果ガス排出量を7~10%削減すると表明。「一部の国」が時流に逆行していると皮肉った。

日中関係筋はこうした現状を「中国から見れば、米国が勝手に自滅しているようなもの。非常に歓迎しているのではないか」と話す。

ただ、覇権主義的な対外姿勢が後退したわけではなく、米国の「逆」を行く習政権の戦略がどれだけ功を奏すかは不透明だ。中国は高市早苗首相の台湾有事発言に反発し、日本へのレアアース(希土類)輸出規制を強化。多国間のサプライチェーン(供給網)に影響を与えかねない報復措置に出た。台湾周辺での軍事的威圧や南シナ海におけるフィリピンへの強硬姿勢は、各国の知るところだ。

米中間の通商摩擦は昨秋の首脳会談を経て一時的な「休戦」状態に入ったが、先行き安泰とは言い難い。北京の外交筋は、中国は第1次トランプ政権時の経験から「対米関係に自信を持っている」と語る一方、米国の貿易赤字は依然として解消されていないと指摘。今秋の中間選挙に向けて対中政策が問題視されれば、中国に融和的なトランプ氏の姿勢が変わる可能性もあると分析した。

【時事通信社】 〔写真説明〕韓国・釜山で会談に臨むトランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席=2025年10月30日(AFP時事)

2026年01月20日 18時16分


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