トランプ氏就任1年、強権化図る=各省に「忠臣」、軍動員―中間選挙控えほころびも



【ワシントン時事】トランプ米大統領は20日、2期目の施政開始から1年の節目を迎えた。大統領職と上下両院を与党共和党が制する「トリプルレッド」の状況下で、トランプ氏は自身への権力集中を図り、軍や治安機関も頻繁に動員。11月に中間選挙を控え、三権の抑制と均衡に基づく憲法秩序の破壊につながりかねないトランプ氏の強権路線に歯止めをかけられるかが問われている。

「トランプ氏の(大統領)選挙(での勝利)以降、兵士の士気はかつてないほど高まっている」。2025年12月にホワイトハウスで開かれた閣議では、ヘグセス国防長官ら居並んだ閣僚が競い合うようにトランプ氏への賛辞を口にした。

トランプ氏は第2次政権の閣僚指名に当たり自身への忠誠心を重視し、トップ人事を通じ各省の掌握を試みた。同時に、実業家イーロン・マスク氏を責任者とした「政府効率化省(DOGE)」を設け、政府職員の大量整理に着手。「多様性、公平性、包括性(DEI)」実現を担った政府各部門や、国際協力の象徴である海外援助機関、国際開発局(USAID)を解体した。

「粛清」(民主党上院議員)は軍にも及んだ。ヘグセス氏は25年2月、軍内のDEI推進に関与してきたとしてブラウン統合参謀本部議長(当時)を解任すると発表。国際法違反の疑いが濃い今年1月の対ベネズエラ軍事作戦に先立っても、ヘグセス氏と対立していたとされる司令官が退任した。

軍などへの大統領の影響力が拡大した第2次政権では、「実力組織」投入の敷居が下がっている。トランプ氏は治安維持名目で州兵を民主党地盤州に派遣する命令を連発し、移民税関捜査局(ICE)による不法移民取り締まりも大幅に強化。コミー元連邦捜査局(FBI)長官ら政敵の刑事責任を追及する動きは、「司法の武器化」と批判を浴びた。経済運営でも、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長に繰り返し利下げを迫っている。

「やろうと思うことを何でもやる権利がある」と公言するトランプ氏の「暴走」を阻止するカギとなるのは、議会と最高裁だ。中間選挙で共和党が過半数を失う可能性がある下院では、物価高への国民の不満解消に集中するよう求める声が同党議員からも上がり、上院では穏健派の同党議員の間で軍事行動に関する大統領権限拡大への懸念が広がる。

保守派判事が多数を占める最高裁が政権の政策を追認するかどうかも焦点だ。高関税政策にとどまらず、最高裁は6月末までに独立政府機関への人事介入などについて判断を示すとみられている。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領=9日、ワシントン(AFP時事)

2026年01月20日 20時31分


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