「トランプ色」帯びる中南米=米の武力行使や選挙介入で



【サンパウロ時事】中南米諸国では、1年前に返り咲いたトランプ米大統領が選挙介入などを通じて影響力を強め、各政権が米国に従順な「トランプ色」を帯びてきた。中南米を「裏庭」と見なす米国は、年初にベネズエラに武力を行使しており、伝統的な勢力圏である同地域への干渉は一層強まる見通しだ。

「イデオロギーや政治の多様性がある新たな時代だ」。今月3日に米軍に拘束されたマドゥロ大統領の職務を代行するベネズエラのロドリゲス暫定大統領は14日、就任後初の記者会見で訴えた。ロドリゲス氏は副大統領としてマドゥロ氏の反米左派政権を支えてきたが、一転。就任早々、政治犯釈放や石油産業の法改正など米国の意向に沿った方針を打ち出した。トランプ氏は「非常にうまくいっている」と歓迎している。

昨年10月には、金融市場が変調を来したアルゼンチンの議会中間選挙で、トランプ氏の盟友のミレイ大統領率いる与党の苦戦が事前に伝えられると、米国は金融支援を打ち出した。与党は圧勝し、危機を乗り越えた。11月のホンジュラス大統領選はトランプ氏が支持を表明した右派候補が当選して政権交代が決定。ボリビアやチリの大統領選では左傾化の揺り戻しもあり、親米派が勝利した。

海上交通の要衝パナマに関しても、トランプ氏は昨年1月の就任演説で1999年に返還したパナマ運河を取り戻すと表明。軍事圧力にさらされたパナマは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱。移民対策などで米国との連携を深めている。

隣国メキシコには、米国への合成麻薬フェンタニルの流入阻止対策が不十分などとして3月に25%の関税を導入。自由貿易協定を通じて米国と経済的なつながりが深いメキシコは、国境管理などで積極的に協力せざるを得なかった。米国の要求はエスカレート。麻薬カルテルを攻撃するためメキシコでの「米軍の展開」を認めるよう求めており、今年大きな摩擦に発展しそうだ。

今年はコロンビアやブラジルで大統領選が行われる。両国の左派政権と対立するトランプ氏は、政権交代を支援しようと選挙に介入する可能性が高い。反米独裁のキューバには、トランプ氏が「手遅れになる前に取引することを勧告する」と警告。キューバでは最近、紛争への準備状況を点検する国防会議が開かれたと報じられており、ベネズエラに次ぐ米国の軍事作戦に神経をとがらせているようだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕トランプ米大統領(右)とベネズエラのロドリゲス暫定大統領(AFP時事)

2026年01月20日 20時32分


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